このお店の場所は少し分かりづらい。鎌倉駅西口を降りて御成通りを下り、右手にある花屋の奥にある。元レネというフレンチのお店があった場所だ。
レガレヴはアシェットデセールの専門店。フレンチのコース料理で出てくるデザートの部分を切り出して、その部分に特化したお店だ。
このお店の意気込みはホームページに書かれたオーナーシェフ佐藤 亮太郎さんの言葉を読むとよく分かる。
店名の「レガレヴ」とは、作り手が食事を振る舞い、 ご馳走するときに使う言葉で、「どうぞ心ゆくまで味わい、満喫してください」 という意味。心を込めて作ったデザートを堪能してほしいという、願いを込めて 名付けました。
素敵。こんな気持ちで作ってくれるモンブランはきっと美味しいはずだと期待が高まる。
この三連休は佐藤シェフは日本橋の催事で不在だったのでお店も休みかもしれないと危惧してたのだけど、朝電話をしたら営業してますとのことだったので、出かけてみる。

この金色の壁が目印だ。
さて、店内に入ると既にたくさんのお客様が。でもカウンター席を予約してたので大丈夫。

メニューはたくさんあるのだけど、とても味のあるイラスト付き。もちろん注文するのはモンブランだ。

色んなものが目の前で作られていく。スフレがオーブンで焼かれてどんどん膨らんでいくのが見えたり、クレープが綺麗に焼かれていったり。このお店はやはりカウンターがオススメだ。
しばらく待つと、出てきた。モンブランを盛り付けたお皿にラム酒のアングレーズソース(カスタードクリームのソース)をかけてくれる。素敵なプレゼンテーション。
完成形がこちら。色のバランスも美しいですね。

そしていつもの断面を切り出そうとするのだが、トップ(栗の真下)にメレンゲが乗っているので無理して切ると全体が崩れてしまう。。。「パティシエの方が少し横から切るといいと思います」とアドバイス下さったので(すみません)、少し横から切らせていただきました。

まさに解説の挿絵の通りで、和栗ペースとの下にメレンゲ、ホイップクリームそしてチュイール。チュイールってなんのことか知らなかったけど、フランス語で「タイル」「瓦」を意味するんだって。バターとアーモンドの風味が美味しい。
そしてその下に2つのアイス。左側がレリボのアイス。右側がホワイトチョコのアイス。このレリボのアイスが実はこのモンブランをさらにユニークなものにしていたのだった。なぜってレリボとは発酵ミルクバターのこと。つまりこれも酸っぱいのだ!酸っぱいといっても乳酸の酸味だ。パティシエの方が教えてくれたのは、佐藤シェフは一般的に栗と合わせられるカシスを使わずに酸味を出せないかと考え、このレリボのアイスに辿り着いたとのこと。うーん、素晴らしい。先日のCHOCOLATE BANKのモンブランのカカオビネガーとは違うアプローチで、酸味を生かして栗ペーストのもたつきを消しているのだった。
ただのレリボのクリームにしなかったところにもきっと意味があって(素人の勝手な想像だけど)、栗のペーストってどちらかというと「熱」を感じる食材。そこに逆のベクトルを持つアイスを入れることによって張力に均衡が取れてデセールとして完成するのではないか。
これを1つの食材でどちらも実現したのが佐藤シェフの発想力なのじゃないか。実際、個別の素材であるマロンクリームと酸味と冷たさを持つアイス、下に敷かれたアングレーズソースが口の中で絡み合い、本当に美味しい一品に仕上がっていった。きっとここまで計算されているんでしょうね。感激。
そして忘れずに言及しておきたいのが、合わせたお茶お茶ルイボスバニーユ。ルイボスの渋みとバニラの香りがこのモンブランに最高に合う。もうずっと飲んでいたい。
とお茶を楽しんでいると、目の前のオーブンでクロワッサンが焼き上げられていくではないか!全くの目的外ではあったが、焼きたてのクロワッサンを食べ逃すわけにはいかない!とオーダー。15分ほど辛抱強く待つ。
そしてサーブされたのが、こちら。みるからにサクサクではないか。

そして本当にサクサクのサクサクだった(当たり前w)。繰り返しになるが、やはりこのお店はカウンターを予約してパティシエの技を目の前で堪能しながら、会話も楽しみながら食べることをオススメする。そうすると、こんな予定外の幸せに出会えることもあるかもしれない。
アシェットデセールのお店であるが、クロワッサン以外にも美味しそうな持ち帰り可能なケーキもある。どれも美味しそうだ。

鎌倉に来た際にはぜひ立ち寄って間違いのないお店。僕も今度は佐藤シェフのいる時に再訪してみたい。もちろん、カウンター席を予約して。
Régalez-vous (レガレヴ)
住所:〒248-0012 神奈川県鎌倉市御成町10−4
電話番号:0467-81-3719
アクセス:JR鎌倉駅西口から徒歩2分
営業時間:8:30~19:00 (L.O 18:30)
定休日:不定休
客席:15席(カウンター7席 テーブル8席)